くわぁんくわぁんくわぁん、、、
スチール製のゆがんだゴミ箱が、ななめにコマのように回り、ガチュッ、と倒れます。
後藤先輩『はい!3月のテレアポ件数は4020件、アンケート111枚取れました。訪問になったのは19件です。
2回目面談には』
T部長『成約は?』
平石先輩の報告を高和部長が遮ります。舌鋒鋭いの見本。
後藤先輩『、、、新規2件です。』
高和部長『ん”ぁ”~?』
後藤先輩『申し訳ございません。2件です。』
高和部長『お前、4,000件電話して、19件しか会ってもらえないの?おいー平石!』
高和部長は先ほど拍手で迎えられた平石先輩に水を向けます。平石先輩は自分の席で既に資料作りしてました。
平石先輩『はーぃテレアポ910件、アンケート77枚、訪問70件、成約10件でーす。』
目線はPCを見たまま。凍った緊張感を解くような陽気で間延びした声。度胸あるなぁ。
高和部長『後藤、なんで平石と同時に入ってきて、オレに1年教わって、そんなに差が出ると思う?』
後藤先輩『はい。テレアポ先のスクリーニングとトークのキレと』
高和部長『人格だよ』
後藤先輩はいつも最後まで話させてもらえません。
高和部長『同じ土地で同じ商材。同じ時間勤務して差が出るのは、人格に差があるからだよ。後藤。お前と平井石じゃ人格に5倍の差があるんだよ。』
ああ、これが数字は人格、の語源か、、、なぜか納得する社畜。
高和部長『今日からお前らにそれぞれ後輩が付く。お前らが教える立場になるんだよ。後藤、お前に教わる社畜の身にもなってみろよ。』
!( ゚Д゚)
MAJICA!
どうやら後藤先輩は私の直属の先輩のようです。
2日目から暗雲立ち込める社畜道。ちなみに優績な平石先輩は体育会系木島の担当に。
後藤先輩が詰められすぎたせいで時間がなくなり、難を逃れた魚谷先輩はKOボーイ安藤の担当になりました。
できないパイセンに何を習えと言うのか。来月、朝礼で詰められているのは私かもしれません。
デキナイーズなパイセン達が一通り詰められ、各島の主任が今日の予算を発表。次に事務リーダーが
高和部長『あ”~もういい。とっとと営業はじめろ。新人3人はオレと奥の部屋に来い。』
朝礼を打ち切って、震える3匹の子豚を呼び出す番長。ま、丸焼きにされちゃう。。。(つづく)
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