雑記

ミッドライフ・クライシス

知り合いがウツになったんですよ。
珍しい事じゃない上に、知り合いと言うか同僚の旦那さんなので、あまり関わりもなくて。

でも聞いてるとなかなか症状重いんですよね。
新卒からずっとその会社で20年以上頑張ってきた方なので、
つまりそれ以外の仕事は全くできないわけです。なのに、

『もう辞める!絶対むり!』
『今から芸大行きたいんだ!オレ、画家になりたいんだよ!』(そんな趣味は無かったのに)
『チャリで日本一周してくる。。。』

どちらかと言えばウツというより躁かもしれませんね。うーん。
あまりに気の毒なので、微力ながらしらべてみたら、最近の40代にはこんな症状多いみたいで。

”ミッドライフ・クライシス”

なんて言うらしいです。はいリンク↓
自分の人生は無意味だったのではないか…「40代で人生を諦めてしまう人」が抱く不安の中身(プレジデントオンライン) – Yahoo!ニュース

中年のおっさんが自分の仕事一直線のキャリアに疑問を抱く → アイデンティティの崩壊みたいな症状です。これ、”定年迎えたおっさんが家に居場所無い症候群”に似てるなぁと思いました。

なぜこんな働き盛りの40代で発症するのでしょう?しかもいままで無かったわけですし。

考えてみると、いまの40代ってレールが途切れてるんですよね。
戦後の高度成長期から団塊世代が築いた、

”いい大学出ていい会社入り、出世コースのれば人生優勝” 

のレールが、バブル崩壊で途絶してしまってるんですよね。
新しい生き方なんて令和の今になっても見えてこない。
とりあえず同調圧力で必死に受験し就活し。
ひたすら社畜して40代まで来た時に、あれっ?となるわけです。
それまでの世代ならば、このタイミングで管理職に上がり、あとは無事、働かないおじさん化していけばいい。
しかし上を見れば大量の団塊Jr.が管理職ポストを埋め尽くし(仕事は全然できない)、
下を見れば氷河期以降の採用絞ったツケで部下は少ない。
いつまで立っても最前線ソルジャーにならざるを得ない。
これは勝ち抜いて数少ない管理職になったとしても同じ。
プレイングマネージャーというわけのわからないポジションが新設され、最前線で営業しつつ部下の面倒を見るという難易度AAA技を要求されます。(しかも給料あまり上がらない)

社畜たる私も、前の会社はこのプレイングマネージャーで辞めました。土日フル出勤でした。
出世競争に負けても、勝っても、先が見えない。そんなブラインドに気付いた瞬間、ミッドライフ・クライシスが起きるのでしょう。わかりみ。

私もまぁまぁ危ない所でしたが、社畜道が行き過ぎていたのが幸いしたのでしょう。
世の自己啓発ブーム副業ブームやらにも全力で乗っかってきた結果、そちらに逃げる事が出来ました。

ここで世の40代に知って欲しいのは、どの会社も例外なく、あなたに社畜ソルジャーである事を求めているという事実です。会社はミッドライフ・クライシスからあなたを救ってはくれません。

生産性高く、残業できなければ隠れて持ち帰り仕事をし、部下に時短の指示して終わらない仕事を引き受け、家族を犠牲にしてでも全国転勤し。
人生を切り売りして株主利益を追い続けていて欲しいのです。それが会社にとって最大利益だから。
これから日本企業は、少子高齢化によるマーケットの沈み込みと、働き方改革による生産性の改善、会社内の年齢構成のいびつさ、という諸々の問題を解決すべく、構造改革の必要性に迫られます。
高齢社員の既得権益と、新卒一括採用を両立せざるを得ない以上、犠牲になるのは、
(意味のない)出世をエサにぶらさげられ、自己犠牲も厭わず走り続けるよく躾けられた社畜世代なのです。

その無理な要求の中で壊れてしまえば。

ミッドライフ・クライシスという妙なレッテルを貼られて処分されるだけです。

ここは考え方を変えましょう。

まず出世しなければ!という幻想を捨てましょう。
会社がこちらを利用するように、社畜も会社員という安定の立場を十二分に利用しましょう。
安定給を吸いつつ最低限の仕事をこなし、家に帰ったら全力で副業を立ち上げましょう。

副業は、取組を続けていれば、いつかは成功するものです。これは私も自分に言い聞かせています。

それまでの食いつなぎに、会社員という立場を利用しましょう。

少し振り返って頂ければわかるのですが、
『出世の為にここはやらねば』
が異常に多いはず。それを捨てればストレスは半減します。
要求された最低限、業務をこなせばいいのです。大丈夫。これまでの社畜道により、6割の力で仕事しても9割の成果は出せます。あと1割を追い求めるのに200%の労力を使わされていただけです。
定時で帰ってもOK。会社員の立場はそんな事で首にできません。
これまでは出世の為に使っていた残業力を、副業、引いては独立に向けたエネルギーに使えばいいのです。

もちろん、家族に使ってもいい。子供との代えがたい時間にフルコミットするのも素晴らしい人生です。
家族に愛される人生はあなたのアイデンティティを十全に保ってくれることでしょう。

私がここで伝えたいのは、

『会社に滅私奉公しても、それに会社が応えてくれる余力はない』
『でもそれを会社から伝えてくる事はない』
『なぜなら、頑張れば出世できる!という幻想に勝手に浸かっていてくれた方が都合いいから』

という現実です。
ミッドライフ・クライシス。この危機を避ける為に、努力の方向を少しだけ変えてみませんか。

ワイもがんばろ。


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しゃちくん
23年間の会社員生活にピリオド! ビジネスマン人生の後半は起業戦士として生きていきます!